フィル・ティペット監督“スターシップ・トゥルーパーズ2”

フィル・ティペット監督“スターシップ・トゥルーパーズ2”やっと“スターシップ・トゥルーパーズ 2”を観た。

前作はもちろん、“スターウォーズ”“ジュラシック・パーク”など名だたる大作に携わってきた特撮の大ベテラン、フィル・ティペットがついにメガホンを取った作品だ。もちろん、彼の本領を問うなら“ロボコップ”あたりを挙げるのが適当だろう。そもそもはCGよりもストップモーションの人だからである。

ポール・バーホーベンが前作で見せた反プロパガンダの姿勢は今作にも引き継がれている。敵のバグたちのデキについては言うまでもない。元来、ストップモーションのノウハウをCGに引き継ぐ彼独自の手法が生々しく具現化した化け物である。

1と2を見比べると、監督の資質の違いがよく出ていると思う。前作の過剰にシニカルな匂いはなく、良くも悪くも正統なB級アクションホラーに仕上がっている。万事にソツがない。お約束はおさえているものの、そこから抜け出るものはない。それが前作のファンにとっては物足りないところでもある。Amazon のレビューを見てもなかなか手厳しい。

映像特典はDVDの醍醐味のひとつだ。けれども、ぼくは余り見ない方だったりする。ただし、特撮モノは別だ。特撮のメインキングは興味深い。作り手の情熱が伝わってくる。フィル・ティペット監督作品となれば、メインキングがないわけがない。

レイ・ハリーハウゼンが出てる。

特撮の神様だ。後続の特撮映画に多大な影響を与えたストップモーション・アニメの巨匠。フィル・ティペットの現在の進路を決めたのが彼の"シンドバッド七回目の冒険"だったことは、ファンの間では有名な話らしい。その人の良さそうなおじいちゃんが、撮影現場に招待され監督やスタッフたちと気さくに触れ合っている。素晴らしい映像だ。感動的だ。

特撮というのは本当に好きな人が作っているんだという感触が好い。作品の出来だけを問うなら、ぼくも1作目の方が何倍も上だと思う。けれども、フィル・ティペットの新作が今後公開されるなら、その時はやっぱり観たいと思う。

つまるところ、“スターシップ・トゥルーパーズ コレクターズ・エディション スペシャル・ツインパック”は良い買い物だったということだ。

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